2009.12.14
私が目がろくに見えなかった闘病中の子どものときから、親や姉にも手伝ってもらって大事に大事にしてきたもの。だれにもゆずらずにふっくらと持っていたものを、二十四歳でデビューしたことにまつわるさまざまな事件が、じわじわっと奪っていった。もちろん自分も悪い。しかし並大抵でないおそろしい目にどれだけあったか、自伝でも書いたらみんなびっくりすると思う。書かないけど。カート・コバーンが死んだときも気持ちがわかりすぎてどうしようかと思った。象徴的には彼が代わりに死んでくれたみたいな気分だった。自分が自殺する、と思ったときのことだったから。 でも私にはいつもそのときどきに味方がいた。そして、なにがあっても、最後の最後にもっていた種みたいなものは、冷凍にしてでも取っておいた。よかったなあと今になって思う。 チビがインフルエンザ(二回目か、あるいは型がちょっと違うか)から回復してきたけど、寝る前にタミフルを飲ませたらすごく暴れだして、体温も下がり、びっくりした。 これは…「バタリアン」だ(わかる人にしかわからない比喩)!!! こわい薬だ…効くけど。男子にはやばい。命がけだな。 夜は幻冬舎の打ち上げ。鈴木成一さんもたかこさんもミホさんも来て、うちのスタッフもいて、石原、壺井名コンビもいて、なぜかみんなにこにこして本の話なんかちっともしない。これこそが、いい本を創ったしるしなんだなと思った。
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