家族でランチを食べにいき、本を買い、お茶をして、実家にそばを食べに行く。

家族そろっていることのありがたさの前には、どんなこともふきとぶ。

紅白、スーザン・ボイルが歌った後は、どんなにうまい人もカラオケのうまさに思えてしまったが、サブちゃんと吉田美和さんと永ちゃんは別だった。歌は人生そのものなんだな、と実感した。

それから裏番組のUFO映像の第一位は傑作すぎて、そばをふきだすほど笑ってしまった。あんななんとも言えないもの、地球人には考えられないかもね。

ちほとランチ。いつも日本にいる人と会ってるみたいな安心感。でも私たち、実は日本にいる頃はお互いに忙しすぎて、ほとんど夜中しか会ってないんだよね。不思議〜。

夜、実家の忘年会へ。蓮沼さんと久しぶりに会うあゆみちゃんにも参加してもらい、なつかしい面々であたたかく過ごす。なんといっても両親が車いすでもそろって来ることができたのが、すてきだった。そして車いすの人がふたり、幼児がひとりいるのに、お店の人が忙しいからっていらいらキリキリしていて、すごくこわかった。うっかりついたてをずらすと「ちっ」と舌打ち。いつからお店の人が店の中で舌打ちしていい文化になっちゃったんだろうな。こういう店こそなくなってしまえとマジで思った。

蓮沼さんに、なにかをちょっと相談すると、私がいちばん「こうなんじゃないの？」と思ってきたことの、ほんの少し上をいった現実的な答えが必ず帰ってくる。これは、いろいろな職業を経験してきた深みというか、世間というものを知っている強みだな〜といつも感動する。

チビが熱中している「扇風機おばさん」ヘギョンさん。韓国でも探していたが…そう簡単に会えないだろう。東京に行けば永ちゃんに会えるかもと同じくらい無理だろう。犬を飼っているのを見て「犬ってなんてすごいんだろう」と言った。なんだか感動した。そう、犬は飼い主を裁かないし、差別もしない。愛だけだ。

微妙に貧乏で、でも年下の人たちにはおごってあげたいな〜という場合、選択肢はいくつかある。１店の質を落として、コストを安くする。２宴会をしない。３好きな人としか会わない。食いしん坊の私の場合、１番にだけはならないなあというのが、正直なところである。まだこの選択をしなくてはいけない段階に個人的にはいたっていないが、会社はよれよれ、家なんかも買っちゃったし、来年は厳しいだろう、そう思う。身を低くして、家にいる幸せを味わう時期だ。とすると、そう思う人が確実に増え、どうでもいい店がどんどんつぶれていくのが見えている。逆においしい立ち飲みの店などはかなり栄えたり、すごいことになりそうだが、将来の自分を定めていくにはみなにとって大事な年だ。

検診の結果がよくてほっとする。ひとりでバーニーズに行って、バーゲンで冬のものを全部いっぺんに購入。買い物も行けないくらい忙しかったので、これまたほっとした。

夕方、喫茶店でしみじみとチビと日本茶を飲んでいたら、蓮沼さんとあゆみちゃんが通りすがりに合流。店の人もみんなにこにこして、りえちゃんは率先してチビの音の出る絵本で遊んでいて、ほんと、こんな人たちに会えてよかったなあと思った。

きよみんのセッションを受け、よっしゃ！という気持ちになりつつ、ちほとヨッシーとともこさんとりさとじゅんことヒロチンコさんとチビと合流して、豪華な忘年会、しっかりとラーメンじめ。ちほが昔からの大好物の「軟骨からあげ」を食べている姿をハワイではなかなか見ることができんので、感動した。

「これだけはどうかかんにんして、今だけはみのがして、そっとしといて」という出来事が年末にまたも襲ってきて、沖縄くらいからずっと心がここになかった私だが、少しだけ現実に色が戻ってきた。こうなったからにはしかたない、別れも人生の味。なんとかいける、なによりもだれも命をとられてないし。

なによりも心がここにないから年老いたゼリちゃんの毛がぼさぼさのままだった。いけないいけない、目の前にいるこの命のことを大事にしなくちゃ、とブラシをかけていたら、妙に落ち着いた。犬ってすばらしい。

今年はほんとうにさんざんな年だった。考えうる限りのろくでもないことが次々やってきてびっくりした。肉体的にも精神的にも金銭的にも極限で、何回もとめどなく泣きながら夜道を帰ったものだった。でも、私は言える。伊勢白山道くらいに堂々と言える。生きていてよかった、サヴァイブしたし、神様ありがとう、生かしていただいてありがとうございます！と。

だって生きていれば、また流れていって、また違うフェイズがやってくるもん。他の人のためにも、小説のためにも、最後の最後までよく見ることが、私の仕事。生きている意味。

久々にちょっとゆいこと会う。たまっていた届け物をしたり、おしゃべりしたり。元気そう。夜遊び仲間とすっかり縁が切れたかのような私だが、そういう時期なのでしかたない。自分がどれだけ彼女に甘えきっていたかわかってちょっと大人になったので、大人として会ったら、なんだかすごく幸せだった。好きな人には元気でいてほしいし、幸せでいてほしいし、幸せな気持ちで会いたい。