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2008.05.31
店長のお墓参り、自分も含めみんな遅刻しまくり。
こんなことでは天国でもお店が(生前にもうたたんでいたけど)心配なことであろう…。
いっしょに働いていた人たちっていうのも、フラと同じで体の言葉でいっぱいしゃべったという感じがする。あの狭い流しのところで、ひとりが厨房からものを受け取り、ひとりがお茶をいれている、そんなときぶつからないように体をよけるタイミングなどを共有しているので、会うとすぐにふっと時間が元に戻る。そういうことを考えていると、この世の全てがある意味セックスだと思う。なので、そのものずばりのほんもののセックスのことばかり考えているとしたら、かなり粗雑な人生だと思う。
また、私は鮒の解剖(カエルでさえない)をしただけであんなにへとへとになったのに、人を切り刻むなんてどんなにか大変なことだろうか。いちばんしたかったことやするべきことがそれだというところまで追い込まれたくないものだと思った(っていうか、どうやったらそこに追い込まれるの?)。しかもそれはものすごい手間と根気と愛情とお金をかけて、よそのご両親が大事に育てた生き物なのだ。すごいことだ。
血や肉や暗いセックスの持つ独特な魅力にはだれもがひきつけられるが、人生はそれだけじゃないし、時期にもよるだろうと思う。
店長のお墓は実家の近くなので、そのまま実家へ向かう。父も母も体はともかく頭はたっしゃな状態で、よかった。チビがいろいろいうとふたりがげらげら笑うので、これこそがいちばんの癒しかも。姉は静脈瘤でしびれてきびしいのに、今日も揚げ物を揚げまくっていた。洋風深川飯がものすごくおいしかったが、あまりの満腹におかわりできず!
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2008.05.30
なんだかわからないけれどごはんも食べられないくらい眠い。
こまめに寝てみるも、眠いので、一日ぼんやりしていた。寒いのもいけない!冬眠だ(意味不明)!
その中をお弁当を作ったり、石井さんのインタビューを受けたり、飛行機のチケットの問題を話し合ったり、山のようにメールを書いたり、小説も書いたり、チビに襲われたりしてかけぬけた。
夜はシアタープロダクツのセールに行った。痩せて大人っぽく美人さんになっているしまおまほちゃんとか、変わらずかわいい今村さん(に会いに行くのがそもそもの目的だったのに散財!)とか、いつも笑顔がキュートでスタイルのよい金森さんとかをながめつつ、デザイナーの方々じきじきにいろいろおすすめをいただき、ばりばりと服を買った。コートまで買ってしまったよ。あそこの服は夢があってすばらしいので大好きだ。文字マニアである私には文字のデザインがすばらしいのも好きな理由のひとつだ。
それから薬膳を食べ、ヒロチンコさんもりさっぴも私もあっという間に手がすべすべになってびっくりしながら、りさっぴの部屋に寄ってかわいい子犬と遊びまくって帰った。
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2008.05.29
ものをよく見る、というのはできそうでなかなかできないことだが、それだけでいろいろなことがわかってくると人々を見ていて思う。
今秘書をやっているりさっぴは無駄口をたたかないのもすごいが、なによりもほんとうによくものを見ているのがすごい。そういう人は「細かい」「考え過ぎ」と言われることが多いが、私は「他の人が粗い」というふうに感じる。また、今目の前に彼の本があるのでたまたまたとえるが、中島英樹さんの装丁である「みずうみ」はタイトルを含め、中の絵もなんとえんぴつで手書きしている。細かい線を綿密に…。他の派手な装丁と比べて手抜きだということを言った人がいると前に人づてに聞いたが、ぷっと笑ってしまった。そういう人の目は要するにふし穴である。ふし穴な目でいくら世界を見ても、アラを探すことさえできない。自分の妄想の中で空回りして、不満でいっぱいな人どうし、不毛な世界を生きていくだけであろう。
それと同じで、論争に巻き込まれる気はさらさらないが、蝶々=しょせん元ホステスあがり、どんなことやってたか知ってるか?説も同じである。人間若いときはなんでもありだし、ホステスってきれいごとでできる仕事じゃないし、いろいろあって当然だろう。私だってもう45なんだから、そのくらい知っている。彼女を聖女だと思って評価してるわけではない。私に見せてくださってる顔が、いろいろな意味で彼女の最高にいい顔だっていうのも百も承知だ。それをふまえて、私は彼女は才能あると思うし、あの、夜の匂いと昼の匂いの混じり具合が魅力あるな〜、と思っている。今の彼女が何を目指しているかが大事だし、もし彼女に問題があればそれは他の誰でもない彼女の人生に返るだろう。そんなこといちばんよく知ってるのは頭のいい本人だろう。
その同じ時間をりさっぴや中島さんや蝶々さんはきらきらした躍動的な観察に費やして、ねたまないタイプの新しい友に愛され、家族とよい時間を過ごし、ばりばりと仕事をしていくのである。
人生とは、その人次第、全く平等にできているなあと思う。
夕方マヤちゃんがやってきた。相変わらずの男らしさで、ほれぼれした。もう会えないのかと思ったら、やっぱり会えたのでよかったなあと思う。NYでよい暮らしをしているようで、お肌もつるつる、笑顔もぴかぴかで、きっといっそういい絵を描くだろうと思った。
そのあとはフラにかけつけ、とにかくくるくる回る踊りを踊って、目が回りながら陽子さんのお誕生会へ行く。りかちゃんとあっちゃん行きつけのお店。みなで倒れそうになるまで食べてしまった。帰り、夜道を行く人々の顔のけわしさに、ソウルと違う、東京の厳しさを感じた。
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2008.05.28
一日中雑事でばたばた。
久々に小雪ちゃんと長電話をして、ああ、ほんとうにこの人の気の良さとか意外にしっかりものなところとか、気が合うなあと思った。いつまでたってもどこかがのほほんとしていて、自分のペースがあって、見た目のままの美しい人なんだなあ、と思った。
ゆきちゃんと赤ちゃんが寄ってくれたので、赤ちゃんを抱っこできてすごく嬉しかった。赤ちゃんはオハナちゃんとむちゃくちゃ相性が悪くて、オハナちゃんが挑んでくるたびにいきなり泣き出すので、かわいそうだけれどおかしくてげらげら笑ってしまった。泣き出して、またすぐ泣きやんで、またオハナちゃんが来て、いきなりぎゃあ!と泣くというのがデジタルに繰り返されていた。
ヤマニシくんの買ってきてくれたパンと、ヒロチンコさんが京都から買ってきてくれた豚まんと田中さんが置いて行ってくれたレモンでドレッシングを作り生野菜だけ買ってきて、なんとか晩ご飯。
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2008.05.27
チビにとっていちばん幸せだったのは、母子部屋と女子部屋がドア一枚でつながっていて、行き来できたこと。みんなは大変だったと思うけれど…りさっぴも陽子さんもかなり根気よくチビに接してくれて、頭の下がる思いだった。チビは「韓国でいちばんよかったことは部屋がつながったこと」と真顔で言っていた。
スンドゥブチゲを食べにわざわざ遠くまで行く。さすがにおいしかったが、もしかしてチャメのほうが少し勝っているかも、と愕然となった。辛くないチゲはその「百年屋」のほうが勝っていたかも。おうちが近かったナムさんといっしょに食べ、涙の別れ。いろいろ親切にしてくださったナムさん、毛穴のないナムさん!韓国の女子はお肌がきれいすぎる!なぜなんだ!BBクリームの力ではなさそうだ。
それからミョンドンに出て、足裏マッサージを受けたり、化粧品を買ったり、アイスを食べたり、日本では並ばないと買えないクリスピークリームのドーナツをがら空きの店内で豪快に食べたり、餃子や麺を食べたりして、町を楽しんだ。ごみごみしているが活気があり、大きなロッテデパートがあり、ちょうど少し前の新宿のような感じ。
満腹で帰国。夜中だったが、チビがはしゃいでいたのでいっしょにお風呂に入っておしゃべりしていたら突然「そうか、チビはいつかパパになるんだ。赤ちゃんが産まれるの?それはだれと?ママがおよめさん(おいおい!)?違うの?およめさんをもらうの?チビちゃんが?そして赤ちゃんが産まれるの?そのときチビちゃんは大人?ママは?パパは?」
と言うので、
「今のジージとバーバと同じになるんだよ。そのときパパとママは生きていたらおじいさんとかおばあさんになっていて、悲しいけど今いるジージとバーバはもう死んじゃって、チビにはもし赤ちゃんを産んでもいいくらい好きになってくれる人ができたらおよめさんがきて、チビが一生嫌いにならないくらい好きな人で、そうしたら赤ちゃんのパパになるんだよ。その頃は大人になっていて、自分の仕事をしているよ。」
と言ったら、
「そうか、その頃チビちゃんは大人?大人だから、好きなことができるの?運転とか?ハワイに行ったり、ひとりぐらしとか?パソコンももったり?自分でゲームも作れるかも?DSも買える(DSってまだあるかなあ…)?お料理したり?もう幼稚園にいかなくてもいいの?」
と言うので、
「そうだよ、そのときに好きなことを選べるように、今、幼稚園に行ったり、これから学校に行って勉強するんだよ」
と言ったら、
「そうか!」
と言って、ぴっか〜んと何かがわかった顔をしていた。将来と今がはじめてつながったのだろう。すごい瞬間を見せてもらってありがたかった。
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