2011.12.20
今年最後の取材。
なにを言ってもうまく言えない、ほんとうにインタビューが苦手なまま、慣れることなく四十七歳になってしまった。結局このジャンルは得意にならないままだった。
三十五くらいから時間が止まっていて、動き出したと思ったらもう今の歳だったような感じだ。しかし、動き出してくれてほんとうによかった。
だんだんと表に出る仕事も引退して、これからの人生を考えはじめるときが訪れたなと感じる。年をとればとるほど、目立たず、地味になりたい。できれば服装もメイクも地味になっていきたい。それが美だと思う。まあ、私の場合地味すぎて「登山ですか?」と聞かれることがしばしば。遅れてきた山ガール!?
人は、自分のことを自分で考えられれば、一人で立てるようになる。一人で立てれば、他の人のことを考えられるようになる。甘えるべきとき素直に甘えられるようになる。しかしそれは毎分毎秒の闘いなので、楽になりたくて人は自分のくせのなかに入り込んでいつものできごとをくりかえし、いつもの苦しみを苦しむことをくりかえすようになる。
いずれにしても人生は大変だ。そして大変なことがわかった上で見る青空やあたたかい家やそばにいてくれる人たちはなんとありがたいものだろう。そんな人たちともいつかは別れていく。今このときがある幸せの大きさよ。
おめでたいわけではない。知り尽くした上でのこの感慨は深い。
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