2011.08.21
超早起きして雨の羽田を目指す。
飛行機では爆睡、そのおかげでなんとなくしっかりして東京に降り立つ。
私が「日本のいやなところ」を書くのは、よくなってほしいからだ。
日本人の持っていたよさを、もう一度取り戻したいから。
だからやっぱり書いておきたい。
台湾では基本的に、道を聞いたらだれもが真剣に対応してくれる。わからなかったら他の人を捕まえてでも聞いてくれる。タクシーの運転手さんはお金をぼらないし、道を相談したらまじめにいつまででも考えてくれる。子どもを見たらみんなちょっと笑顔になるし、お店の人は無愛想だけれどあいさつしたらにこっとしてくれる。
それに三日間で慣れきった状態で、トイレに入った。
トイレの前には、荷物の多い人用のサービスカートがあり、運転するお姉さんがにこやかに「どなたでもご利用できます」と呼びかけていた。
私は男トイレに入った子どもと外で待ち合わせていたが、私が出てもまだ彼はいなかった。私は気楽に「子どもは先に行きましたか?」とお姉さんに聞いた。
お姉さんは私と子どもが待ち合わせている様子も見ていたし、通行する全部の人を見ている場所にいるからだ。
そうしたらお姉さんはにっこりと笑って「どのお子様かわかりかねますので」と言って、そのまま顔をそらした。
うわあ、ロボットみたい!日本に帰ってきたんだ!これがまさに今の日本だ!と私は思った。
台湾なら少なくとも「どんな子だ?」「どうしたんだ?迷子か?」という質問が帰ってくる場面なのだった。人間は人間とともに生きているから、人間の対応が見たいのであって、なにかしてほしいわけではないのだと思う。人間の小さい力を見たいだけ。
トラブルがなく、いい状態で、健康で、お金もあって…そういうときには全てが感じよく上品で美しく回っているが、ひとたびトラブルがあって弱者の側に巻き込まれたらもうどこにもひっかからないつるつるの壁。みんな見て見ぬふり。弱者の、病気の、トラブルの匂いをさけるためならなんだってする。それが今の日本。
もちろん子どもはあとから出てきて、私たちは会えて、のんちゃんと「夏休み楽しかった、ありがとう」と言い合って平和に別れたけれど。
さようなら夏休み!
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