2010.04.30

「1Q84」の3巻があっさりしすぎという説があちこちであり、たしかにそう思おうと思えば思えるけど、あれはグランドフィナーレというか、長めのエピローグというか、そういうふうに私は思った。だいたい、あんなに売れちゃったのは買ってるがわの責任であって、別に春樹先生自体はノーベル賞ほしいとかみんな読んでねとか言ってないし、ただいろんなことを思いついて、なるべ〜く面白く自分が楽しめるようなものをどきどきわくわく気分でミステリーみたいに書いてみたいな〜と思って思うがままに書いただけなのに、いつしか「国民的大作家」としての責任を求められてるようで気の毒な気がする。
2010.04.29

「ひまわりっ」を全巻読破して、宮崎にいたような気分。
典型的な人物たちが典型的以上に深くできていてそれぞれが言いそうなことを百倍くらい面白くしゃべるから、超面白い!笑いすぎて腹筋が痛くなりながらも「三国志読んでおいてほんと〜によかった!」と思った。
母のお見舞いに行くが、やる気ゼロなのでちょっとしょげた気持ちになる。やる気だけは本人以外のどこからもでてこないものだからなあ…。栄養をつけてがんばってほしい。
実家に寄ったら、父はわりと元気で母を案じていた。父は毎日一時間くらい体操とか皮膚のブラッシングをしている。もし目が見えなくなったら、私はそんな根気を持つだろうか、と思うと、父の凄みを思い知る。
2010.04.28

朝一番でKCミラーさんのトゥー・リーディング。アネモネのための対談。
なによりもミラーさんがなんのデコボコもなく、全身が手入れされていて、神様に愛されてるというか、自分で自分を愛してるというか、自然ですてきだった。あんなにアクセサリーをつけていて派手でちゃんとお化粧をしてるのに自然って、ふつうはありえない。ドンファンだったら「よいトナールを持っている」というだろう。足に注意をむけてあげれば、足がこたえてくれる、それが全身にフィードバックされる、そういう素直な話だった。
こういう場合、取材だから無料になるわけだけれど、お互いに有意義な時間だったら意味があると思う。
また、私はお金を取る取らないではものごとをわけていない。まず、こちらが必要以上に期待していなくて、相手がしてくれたことに対して自然に出せると思っている額と、先方がのぞんでいる額がおりあったとき、それは単なるエネルギーの交換になると思っている。その折り合いは非常に調整がむつかしく見極めもむつかしいから、いろんなもめ事が起きるのだろうと思う。
たまに、ウィリアムやゲリーが私に言ってくれたこと、ゆいこやえりちゃんがこれまでに言ってくれたこと、私に理解できる受け皿があったとはいえ、お金ではかえられないな、と思うことがある。お金を払うことしかできなかったとしたら、自分がおかしいんだな、と。お金にたくして、もっともっと大きく気持ちを返しているような気がする。
あやちゃんとりかちゃんとごはんを食べて、おしゃべり。もうすぐ赤ちゃんが生まれてくるときの気持ち、よくわかる。あやちゃんがんばれ〜と思いながら、ハグしてわかれる。みんな夏生まれで、雨が嫌いで、楽しいことが好きな三人は笑いっぱなしだった。
2010.04.27

「波」のインタビューの後、「新潮」で飴屋さんと対談。
飴屋さんはインタビューのときによく黙ると昔どこかに書いてあったので、ものすごく緊張した。でも、全然違和感がなかった。黙っている時間さえも言葉のうちだった。むしろ、いつも会ってるときの百倍くらいしゃべってくださり、しかもそれがいちいちすばらしく、さらにトイレまで治してくれた(笑)。
こんなふうに全身でそのまま生きるというのはどういう気持ちがすることなんだろう、といつも彼を見ると思う。私の持っているポテンシャルをほんとうに正確に知っているのは実はこの人だけではないだろうか、とさえ思う。
だからこそ、甘えそうな心をいつもしゃんとさせて、こういう人の目にも触れているのだ、ということを思いながら、よいものを書いていこうと思う。それしかできることはない。
そのあと飴屋ファミリーとばななファミリーといつも賢く楽しくすばらしい新潮組とみんなで茄子おやじに行ってカレーを食べる。曽我部さんまで立ち寄ったのでびっくりした。豪華な夜だな〜!
コロちゃんとくるみちゃんが歩いているのを見ると、なんというか、とてつもなく懐かしい感じがする。
2010.04.26

日帰りでじーじに会いに行く。
風邪で声が出ないながらも、なんとかたどりつき、千本松牧場で「水中ハムスター」というものをやる。ビニールの球に全身で入って膨らませ、水の上をがんがん回るというものなのだが、ものすご〜〜〜〜い運動になった。へとへとで汗だく。チビとも大騒ぎ。子どもと共に我を忘れて転げ回る私に係の人も動揺して苦笑していた。大股開きの写真もいっぱい撮れていた。こんな嫁(正式には嫁じゃないけど)って…。
しかしヒロチンコさんのお父さんは、そんなときでもにこにこしている。強いし、まだまだお元気でいっしょに歩けるし、ちゃんとチビをしかってくれるけれど優しいし、笑顔がさっぱりとしていて、男の中の男だと毎回思う。これではいかんと思いながらも、私もチビといっしょに子どもに戻って甘えてしまう。そのくらい大きな人だ。
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