2011.04.01

希望的なことがなにもなくなるくらいの大勢の人が亡くなってしまった日本だけれど、いちばん放射性物質の雨が降り注いでいたうえに寒かったある午後、チビと新しくできたラーメン屋の曇ったガラス窓から外を見ていたとき、なぜか、かすかになにか違うものが感じられた。それは希望的なものだった。楽しさと言っても過言ではないかもしれない。生きている感謝の気持ちとともに、その眺めをじっと見ていた。
もう、元の暮らしには戻れないけれど、三歩くらい下がって少し素朴に考えてみるのはいいのではないかと思った。
朝倉世界一先生と打ち合わせ。朝倉先生のまわりにはいつも朝倉先生のマンガと同じ空気がふわ〜とただよっていて、切ない。チビが「世界一の人だ!」と言いながら抱きついたりして、やりたいほうだいだったが、朝倉先生は「あんなにモテたのは久しぶりです」とおっしゃってくださったので、嬉しかった。
表紙を描いてくださるなんて、夢のようだ。
眠れないたくさんの夜、彼の世界が私を支えてくれたのだから。
どの小説かは、もう、バレバレですね!
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