2010.10.31

舞ちゃんの個展へ、あまりにも絵が一年間でうまくなっていたのでびっくりする。線の切れ、発想の切れが違う。はじめの六回くらいまでは「すごくいいけど、なるほど、こういう人なんだね」という感じなのだが、だんだん冴えていく。急に角度がついたり、深まったり。
こんなにもみっちりいっしょに仕事をしたので、なんだか自分の作品のように大切に思える。
「ハロウィンだからしゃぶしゃぶを食べよう」とチビに言われ、「?」と思いながら肉を買う。カボチャも買って、絵を描いた。楽しい。
森博嗣先生の「喜嶋先生の静かな世界」(このタイトルおぼえにくいなあ)を読む。前に短編で読んだけれど、全く違うものになっている。人間が他者に示せる最大のことが素直に正直に書いてあって、自伝的というよりはまさに小説だなあと思った。森先生はものすごく奥深い上に器用なところがあるので、なんとなくこういう気分、というのを延長して描けばなんとかなってしまうところがあり、作者の生の声が全体の三分の一くらいになる場合が多く、だからこそみなひっぱられるんだと思うけれど、そして全体に満ちている知性のきらめきというか、どろどろしていない高みというか、それが音楽のよう。
二カ所ほどあまりにわかりすぎて泣けるところがあった。
2010.10.30

台風の中をイーヴォさんのお店に走っていく。白トリュフのために…!
なにもかもおいしかったし、なんていうか、魔法。絶妙にナポリの味。塩加減もすごい。
いいお店だなあ、としみじみ思う。日本ではシェフはすぐにシェフ以外のものになってしまうが、イタリアではシェフはシェフの誇りから一歩もでない。その感じが生々しく思い出されて、イタリアが恋しくなる。
あと、戸田さんがすごい。予算を伝えて、ワインも込みなのか違うのかも伝えて、全体白っぽい感じで、とか全て赤っぽく、とか海老を中心に、とかピッツァの日です、とかとにかくイメージを言えばきっと完璧に料理を組んでくれるだろうという頼もしさ。
おじょうさんたちがいらしていて、チビも久しぶりにいっしょに遊ぶ。そうだよね、子どもはレストランで退屈して、絵を描いたりゲームしたり、しちゃうよね。レストランで退屈してる子どもをチビの他にあんまり見ないから、たいくつそうなおじょうさんがチビと楽しそうに絵を描いてるのを見て、きゅんとなったし、嬉しくなった。幼稚園がいっしょで毎日いっしょにいたから、体の言葉を使っていっしょにいる。その感じも幸せだった。何年も会ってないいとこと、会えばすぐなんとなく一体感がわく、あの感じ。
2010.10.29

チビのハロウィンで学校へ。ほとんど徹夜で、駅長さんと悪魔がたわむれているのを見るのは不思議な感じであった…チビのピーターパンはあらゆる意味でしゃれにならないとある意味不評。
あまりにもむくみがあったので飛び込みでリフレに行ったら、担当のお姉さんが私が昔ひどくねんざしていることと、作品をうみだす仕事であることを足を触っただけでずばりと当て、そんじょそこらの占い師よりもすごいと思った。
夜は実家。両親がそろってると平和だ。父が母に対してほとんどおとうさんみたいな接し方をするので泣ける。親戚のるりちゃんも来て、にぎやかに過ごした。父に足をあたためる機械をお誕生日にと買ってあったけど、一ヶ月前にもう渡してしまう。だって寒いんだもん!
2010.10.28

お昼はりかちゃんにおみやげを渡しがてらおしゃべり。最近会えないから、すごく嬉しかった。りかちゃんって見れば見るほど美人で、どんどんひきつけられていく。りかちゃんに恋したら男の人はつらいだろうなあ、りかちゃんと結婚したら、気が気じゃないだろうなあ、毎日。女でもその気持ちが想像できるくらいの魅力だ。
夜はフラ。体も時差ぼけながら、なんとかついていく。自分がクリ先生よりも黒く、衝撃的だった。クリ先生と並んで踊っていたら、クリ先生が自分の踊りのリズムを全部私に合わせてくれて、自分がうまいとかすごいとかは少しも見せようとせず、全部おしみなく伝えようとしていることがわかり、ちょっと泣きそうになった。あんな偉大な人に教わることができるなんて、幸せだ。
じゅんちゃんと晩ご飯を食べに行き、久々にいっぱいしゃべって幸せ。今日はおしゃべり日和であった。
2010.10.27

チビが普通に学校に行くので、早起きしてお弁当なんか作っちゃって、その上打ち合わせに二本も出て、インタビューも受けて、大忙し。なんとなくノリで一日をのりきったが、ほんと、日本ってストレスが大きな社会だなあ、と思う。世の中ってきれいなものだけでできてるわけじゃなくって、ゴミとかドブとか、なんとなく見ていて気持ちのよくない風景とか、そういうのがぼや〜んと幅をもって許容されてる感じが町だと思うんだけど、そういうのが中途半端にごまかされているし、頭だけで作っちゃってる感じだから。ハワイってきれいなだけじゃないから心が広がるんだなとかも思う。
今日もタッキーといっちゃんとちほちゃんとミコとごはんを食べることができそうで、なんか不思議だった。みんながいないの。
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