2010.10.31
舞ちゃんの個展へ、あまりにも絵が一年間でうまくなっていたのでびっくりする。線の切れ、発想の切れが違う。はじめの六回くらいまでは「すごくいいけど、なるほど、こういう人なんだね」という感じなのだが、だんだん冴えていく。急に角度がついたり、深まったり。 こんなにもみっちりいっしょに仕事をしたので、なんだか自分の作品のように大切に思える。 「ハロウィンだからしゃぶしゃぶを食べよう」とチビに言われ、「?」と思いながら肉を買う。カボチャも買って、絵を描いた。楽しい。 森博嗣先生の「喜嶋先生の静かな世界」(このタイトルおぼえにくいなあ)を読む。前に短編で読んだけれど、全く違うものになっている。人間が他者に示せる最大のことが素直に正直に書いてあって、自伝的というよりはまさに小説だなあと思った。森先生はものすごく奥深い上に器用なところがあるので、なんとなくこういう気分、というのを延長して描けばなんとかなってしまうところがあり、作者の生の声が全体の三分の一くらいになる場合が多く、だからこそみなひっぱられるんだと思うけれど、そして全体に満ちている知性のきらめきというか、どろどろしていない高みというか、それが音楽のよう。 二カ所ほどあまりにわかりすぎて泣けるところがあった。
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