2010.06.02
奈良くんの焼き物の展覧会。 あまりにもすばらしかったので、本人にも熱く語ってしまった。 手先でつくれば、いくらでもかなりいいものや、人が単純にいいというものや、買ってくれるものを作れる実力を身につけたのに、あんな歴史的なものに何度でもトライする彼。 それが奈良くんだ、とまざまざと見せつけられた思いだった。 しかも私は、数年前に、彼が陶器を作りだした時期の作品を見ているが、もちろん素人ではないにしても、ここまでくるとは思わなかった。あの時点からここまでに、どれだけ人に言わない大変さ、楽しさがあったんだろう、と思うくらいに進歩している。ありえない。 彼を見ると、あまりの実力と行動力に、性差について素直にならざるをえない。 女性があれをやったら、なにかとりかえしのつかないものを捨てることになる。そう思う。子宮をとったり、離婚したり、ものすごいブスになったり、気が狂ったり。 もちろん彼も男性ではあるが、なにかを捨てて歩んできたのだろう。 そして、どんな人でも作品と向き合う時は、ひとりだ。 深くそう思った。
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