2010.06.10
小沢健二くんのライブ。もうくんづけにするような歳ではないんだな、お互いに。でも永遠の「小沢くん」だ。 はじめは、ちょっと不安だった。ブランクがありすぎるから、どうなっているのか、こわかった。最後に微妙に仲違いして別れたことも。でも呼んでくれたということは、大丈夫ということだな、と思って、軽い気持ちで出かけた。いつものライブみたいに。ライブ後のごはんのことなんか考えたりしながら。 でも、最初の一曲から、自分の中のたががば〜んとはずれて、音楽に飲み込まれた。もうごはんなんか一生食べなくていい!くらいの熱い気持ちになった。小沢くんのポジティブなオーラがその力強い声量に乗って、会場を包んでいた。一曲のこらず、歌える自分にもびっくりした。そして新しい曲と古い曲に全然懐かしさとかセールスの匂いを感じず、ただ音楽を楽しんだ。歌って、踊って、叫んで、泣いて、笑っていたら、いつのまにか最後に残っていたぎっくり腰の芯の痛みがなくなっていた。音楽の奇跡だ! 当時いっしょにライブに行っていた人たちはもうてんでばらばらに国外にいる。でも、今大事な友達であるりかちゃんとちはるちゃんと、それぞれ別の場所でオザケンを聴いていた人たちと、全く同じ気持ちでいっしょに歌って踊ったのも、最高だった。今の自分を好きになるっていうか。 楽曲のすばらしさ、そして詩のすばらしさ、考え方のすばらしさ、全てが彼の大きな成長を表し、「前からすごいものを作っていた」という事実をいっそうふくらませていた。 楽屋で会った小沢くんは、すっかり大人になっていて、最後の時期のあの苦しみ(私も悪い時期だった)、とげとげしい態度と幼い浮かれ度が交互にやってくる感じなどが全部はずれて、しっかりしていた。一回ハグしたら間のすべては飛んで、当時の楽しさ全部がカミングバックしてきたよ!そして彼はうちのチビにやっぱり似ていた。この数週間、ライブに行った人みんなに言われた。「チビちゃんって…オザケンに似てませんか?」私も、似てると思います。あの踊り、あの体型、あの顔。 彼がしているいろいろな活動、筋が通らないと思っている人のほとんどが「結局は名家の息子だろ」という妬みであると思う。しかし名家の息子は趣味で音楽をやっているわけではなく、彼の見たもの、行った場所、思ったこと、友達から聞いたこと、している活動、全てが時間をかけて音楽に還元されている、そこがいちばん大事なところだ。音楽がだめにならなければ、どんなことをしていこうと大人だから自由なのだ。ぶれずにそのことを見ていきたいとあらためて思った。 ほんとうに夢のようなライブだった。あんなに大勢人がいたのに、ばったりと加藤木さんに会うのもすごい。でもあたりまえみたいにいっしょにごはんして帰った。 小沢くん、ありがとう、腰が治った!小沢くん、すばらしい音楽をありがとう。
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