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2008.09.24
今、森先生がご自身のブログでiPhoneとソフトバンクについてのあれこれを連載しているが、むちゃくちゃ溜飲がさがる。
ものすごく派手に宣伝をして、在庫がなかったり余ったりしていてもとにかく売らんかなの姿勢で、でもできればiPhoneを買ってほしくなくって、説明ができる人がほとんど現場にいなくて、でもとにかく買わせて、買っちゃえばもうアフターケアはしないし、これまでずっとソフトバンクを使ってきた人にもなんの特典もなく、サポートも全く後手後手。こんなすばらしい機械(情報の管理に関して、パソコンとの連携がすばらしい。目先の機械をどんどん買わせるよりも、情報を扱う端末として長く使えて便利であるという本質を根本から見直した名作だと思う。明日落として壊しても、新しいものを買ってパソコンにつなげば、もうその瞬間からほとんど不自由なく使える)を開発してきたAppleが気の毒としか言いようがないし、何を考えてあの会社と契約したのか全くわからない。
世の中の人をなめてはいけない、こんな売り方をしていたら、どんなに広告を上手にうっても、いつか必ず契約する人は減ってくるだろう。かわいそうなのは右往左往している末端の社員たちだなあ。
小説の取材のために「お姉さんの店」へ行き、いろいろなお話を聞く。考え方に筋が通っていて、なんとなく「もし自分でもこうするのだろうな」という判断を、人生の場面のあちこちでしていらっしゃることがわかった。あのお店がますます好きになった。
夜は、石原さまと壺井ちゃんと「房」へ。たまっていた打ち合わせを一気にすませる。そして「まだおなかの調子が悪くて」とか言っていた自分が馬刺を注文したのには自分でもびっくりした。本能が呼んでいたのか。
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2008.09.23
朝からチビがものすご〜く悪く、かわいいと悪いのジェットコースター。
本屋さんで、道で、お茶をしながら、けんか道中。
でもなんとなく気分はわかる。行き場のなさというか。またもどかしい期に入っているというか。けんかする私たちに田中さんもあきれつつ、いっしょにワンラブまで散歩してくれた。なんかそれが妙に楽しかった。田中さんも私も仕事のすきまでちょっとだけ歩いてるみたいな感じ。
小説をばりばり書いて、いろいろ思う。
藤谷くんが日記に書いていたように、わりきれないものが人間だとしたら、そして純文学だとしたら(ほんとうにそうだと思います)、私は純然たるエンタメ人間&作家だ。だって現実がほんとうに割り切れるんだもの。バカみたいに。おまえはマンガの中の人か?しかもつげ義春とかではなく、スラムダンクか?っていうくらいに。森博嗣ではなくって新宿鮫か?っていう感じに(このどの人たちもなにに関しても劣っているわけではなく、たんなる種類の違いを表すたとえです)。
そして書くのも、エンタメに純文学の風味があるくらいのものがいちばん好き。
しかし、自分のこのくどさ、重さ、しつこさ、ねばっこさ、それをまさにかろうじて純文学的要素だと感じる。考えて考えて考え抜いて何回もぐにゃっとなって立ち直って、まだねばって考え…自分をすっかり嫌いになり、嫌悪し、でも自分を許す、中身はその繰り返し。ほんとうに親しい人はみんな「しかたないな〜、くどいけどな〜、それがこの人だなあ」といやいや許してくれるほど。だからこそ何回書いても飽きないなにかが立ち上がってくるのだろうし、内面の重みと関係なく人に優しくもできるのだろう。あと、そういう内面の重さがない人は多分作家になれないと思う。もし他者がいて他者のせいにできたらどんなに楽だろうと思う。自分しかいない考えの世界で、自分ととことんやりあうことほど重いことはないから。
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2008.09.22
幼稚園がおやすみなので、ヒロパパに会いに行く。
せっかくだから那須のアウトレットに行ってみようか、と寄ったら案外長くいてしまった。いろいろ新しい工夫があるけれど、各店舗の品揃えが浅く、サイズがほとんどないのが命取りな感じあり。でも子供の遊び場もあり、犬もオッケーで空気もいいしなかなかよかった。養老先生に送ってさしあげたいほどの大きなゾウムシもいたし。シリコンのケーキ型のでっかいのも買えたし。
ヒロパパにとって別にアウトレットなんて面白くもなんともないと思うけれど、文句もおっしゃらず、チビとひたすら過ごしてくれるので、嬉しかった。前も書いたけれど、うちの父は歩けないし、母もほとんど外出できないので、ヒロパパとチビとヒロチンコさんといっしょに歩いていると、わきあがるものすごい幸せを感じる。もう理屈のつけられない、走り出したいみたいな、はしゃぎたいみたいな、幸せだ。この幸せがあるとわかっていたら、二十代で三人くらい産んだのにとまじめに思うくらい。そうしたらうちの親もいっしょに、みんなで旅行に行ったりできたのになあ。いつかチビの子供たちにもこの幸せをあげられたらいいと思うが、その頃ってなにがどうなっているのだろうな〜。あまり変わらないといいな。
餃子を食べまくり、新幹線で帰宅。餃子のお店にはあれほど行きたがっていたのに、いざお店についたら寝てしまったチビ。しょうがなくおみやげに持ってきた餃子を、大喜びで待合室で一気に十二個くらい食べたのでびっくりした!やるなあ。でも待合室が信じられないくらい餃子臭くなり、ものすごく申し訳なかった。
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2008.09.21
昼間、小雪ちゃんに教わったやり方でお弁当のストックをがんがん作った。そうか、ここで取り除かれるのはなによりも「寝坊したら」「朝起きてなにも材料がなかったら」という不安なのだな!と感心してしまった。途中でまたメールでやり方を聞き直したりして。
夜は、久々に健ちゃんが帰っているので、寄ってもらいいっしょに焼肉。元気そうで安心した。やっぱり国外にいてばりばり移動してる人は健康だ。でもインドで靴擦れが絶対治らない話はすっごくこわかった。
うちのおじいちゃんが、戦争に行くとはりきるうちのパパに「おまえは戦争というと一気に死ぬイメージを思ってるだろうけれど、だいたいそうはいかず、流れ弾にあたった傷がだんだん膿んできて感染症でじわじわ死んだり、知らないウィルスに感染して弱って死んだりするのがほとんどだ」と言い、あまりのリアルさに思いとどまった、というような話があるが、健ちゃんはそもそも健康だし戦時中でないから病院もあるし、もちろん大丈夫だけれど、その話に似たはっとするこわさがあった。インドにいるからって誘拐されたり殺されたり交通事故にあったりする人はまれで、むしろほんとうに弱っているときに軽く判断をあやまると、じわりと命取りになるリスクが旅人にはあるんだなあ。でも健ちゃんはかしこいから常にしっかり判断できるのだろうな、安心してまた会える日を待てる。
ゼリ子が健ちゃんをおぼえていて足元にずっといるのがなんとも切なかった。目が見えなくても声でわかるんだなあ。
焼肉屋さんでたづちゃんと合流。いろいろしゃべりながら思う存分いっぱいに食べた。私はまだ鯖ショックが残っているので、ちょっと控えめであったが、それでも久々にお肉をいっぱい食べた。炭水化物を食べないで肉を食べると、翌朝絶対体重が減るのはなぜだろう?
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2008.09.20
久々にいっちゃんと森田さんがそろって、雨でもチビは幸せそう。
私は昨日鯖にちょっとあたってしまいよれよれだったので、あまり大きく動かずに仕事をしたり部屋周りのことをしたりした。
しかし!夜は憧れの朝倉世界一さんにお会いした。なぜか歴代シッターさんたちといっしょに会ったので、チビも私もすごく幸せ。
「この人の中にあの骨太の世界がある」ということが確信できるすばらしい人だった。どうして彼の作品のすべてがあんなにも好きなのかは、世代とか好みとか絵柄の問題もあるとしても、彼の作品を読むと私が自分でいちばん大事に思ってきた、全ての作品の原点である年齢(7〜12歳くらい)に考えたことがどうしようもなく、いてもたってもいられないくらいむずむずするのはどうしてか、やっとわかった。彼のお父さまのご実家が、私の地元だったのである。あの町の夜、空気が含まれているんだ。ものごとには理由があるんだなあ。
久しぶりにものすごく緊張した。そして朝倉さんには「親戚と話したようだ」と言われ、また「ミスいとこ」記録を更新してしまった。
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