2008.12.31

りえちゃんやてっちゃんやみゆきさんにも挨拶をし、トロワでしっかりとコーヒーを飲み、BISで花を買い、下北沢全体に挨拶をして、寒い中、しみじみとてくてくいっぱい歩いて家に帰った。寒いけれどチネイザンやちょっとした瞑想、そして一年間のケアのおかげで腹のあたりはそれほど寒くない、すごい進歩。
そして実家に行き、家族でおそばを食べた。
全員がそろっておそばを食べることができた幸せで胸がいっぱいで、来年も一瞬一瞬を悔いなく生きようと心から思ってしまった。
チビは包丁に失敗してはじめてのケガ。チビちゃん死んじゃうかも〜と泣いていたが、すぐに血も止まり、ほっとした。子供が血を流すと痛いのは親だ。弟を思う吉岡兄の気持ちがなんだかわかるわ(今日もまた『バガボンド』の読み過ぎ)。姉が冷静に手当をしてくれたので、ありがたかった。
来年は長編二本というシビアな年なので、細かい仕事が全くできそうにない。たくさんの不義理をするだろう。でも、しかたない。今年は後半体調を崩し、忙しさの中で発狂寸前の精神状態になってしまったのが後悔&反省しているところが、おかげで謙虚になり、たくさんの同志と仲間ができた。家族だけではなく、そのすばらしい人たちがどこからともなくやってきて助けてくれたのだ。
希望を持って、改善していこう。
2008.12.30

年末の挨拶をしに、あちこちを回り、チビとけんかまたけんか。
どうやったらこんなに生意気になれるんだ?というくらい生意気だ。
育児って、深く考えたらいけない、体の言葉だけが勝負だという感じがすごくする。
それでも蓮沼さんのところでカーペットを買う頃にはすっかり仲直りしていたのでよかった。にこにことお茶を飲むことができた。
近所の人たちにあいさつをして終わる年、なんだかすばらしい。眠りが足りているので時間の粒粒がよく見える。
森先生のブログに勝手に連載しようとしていた「小説の書き方」、もう先方が終わってしまいそうなので、ここで軽く書いてみる。
今日、お榊を買ってきて神棚に供えた。榊とは不思議なもので、すぐ枯れていくが一本か二本くらい、強いのがいて生き残る。そうするとその榊は根を生やして半年から一年生きているのである。ただし、毎日水を換えないとだめ。そのへんが多分、信仰をためすのにちょうどよくて抜擢された植物なのでは、と思うほど。
このことを、いろいろな視点から見ることができる。
「榊族の繁栄と衰退、精霊たちの戦争の話」「地道な信仰が奇跡を呼ぶ話」「植物と交流できる人についての話」「せっかく永らえたものを踏みにじる残酷さの話」「榊に興味がなくて富を逃がす話」「神棚がある人とない人の生き方の違いの話」「榊を売ってくれた花屋の兄さんとの恋愛話」もうなんでもいい、とにかくいくらでも話はできる。
問題は、どの視点を自分はいちばん得意とするかにつきる。そしてどの視点なら自分はオリジナルでありながらも、一般に理解できる説明ができるか、につきる。
たいていの人は、榊が枯れたショックを勢いで書こうとするか、あるいは自分と榊の密な感情や、信仰についての思いを訴えようと思うし、それがオリジナルであると思ってしまう。
しかし、それは感情に過ぎない。
感情ほど他人に伝わらないものはないというのを、恋愛などで経験しているのに、なぜ自分の職業にしようとしている小説業でそれをしようと思うのだろうか。
勢いで斬り込んでいく侍も、ノリでロングシュートができると思うバスケの選手も(井上雄彦の読み過ぎだ)、失敗するに決まっている。地道な練習も実は意味はない。地道な練習がもたらすのは、一瞬の自信が必要なときに「これだけやった」と潜在意識に裏付けができるということだけだ。
大事なのは、集中力と客観性そして自分を信じる心だと思う。この、最後のやつがいちばんくせもので、永遠に終わることのない厳しい戦いとなる。
私なら、ここで「榊と自分にしかない交流を大事にしようとした頑固な人の話」を選んで、地道に書くだろう。感情抜きで。感情抜きなのが、最大の愛情である場合は多いのだと思う。
じゃあ携帯小説はなんで勢いで書いているのに、面白いの?と思う人はたくさんいると思うけれど、それは、せいぜい数作だから。コンスタントに同じクオリティのものを打ち出さなくてはいけないプロではない場合が多いから、だと思う。子供の絵や文章はほとんど天才だが、それを本にしてしまうと、続ける困難であとで本人が苦労する、それと同じだと思う。佐内くんの文章と絵なんてほとんど子供のままだが、あれは大人が子供の部分をひっぱりだしてコンスタントに質も高く書いているのだから、実は大人の、やはりプロの仕事なのだ。
2008.12.29

昼は高島屋の「てきざん」で念願のりゅうきゅう丼を食べる。おいしいんだよね〜。
で、実家への買い物やとりおいてもらった靴をピックアップして、「WALL-E」を観に行く。子供もいっしょだったが、自分がいちばん泣いた…。
この映画を創っている世代は、ほとんど私と同じ。なにをよしとして、なにを夢見たか、痛いくらいにわかる。そしてなにをだめとしてきたかもいっしょだ。なにを絶対的に、それがたとえ夢物語でも、とにかくある要素を排除しようと決めたのか、その志がぐさっと突き刺さってくる。そのある要素は、人生から絶対に排除できない要素なので、作品ではせめて夢を見ようと決めないと、絶対に描いてしまう種類のものだ。
人類がどうあってほしいのか、そのことに対して同じ夢を見た楽天的でありたい世代なのだ。
スピルバーグのほうが偉大だとわかっているし、芸術的にも優れているとわかっている。でもあえて叫びたくなった。「A.I.」なんてくそくらえ!こっちが俺たちの決めたことだ!
いつまでも、そういう夢見るおばかさんの一員でいたい。
帰宅したら、飴屋家の人たちが寄ってくれて、年内に会いたかったのでとても嬉しかった。彼らの子育てに対する本気ぶりを見ていると、自分の凡庸さにびっくり!
でも凡庸なうちを選んできたうちの子と、本気であのパパとママとやっていこうとやってきたくーちゃんはそれぞれ正しい道の上にいると思う。くーちゃんがかわいすぎてくらくらしてしまった。みんなで「レインボーマン」を観てショックを受けながら、お茶やワインを飲んで、じわっと幸せな時を過ごした。
2008.12.28

大内さんがおうちに来て、チネイザンのセッション。
チネイザンを受けると毎回、自分を大事にしよう、と思う。おろそかにしていた内臓たちが、ここにいますよ、と訴えてくる感じ。それを大内さんがまじめに聞いてあげていて、放っておいて聞いてあげなかった自分が申し訳ないような感じ。
セッション中あまりにも何回も犬とか猫が間に入ってごろりと寝るので、間違ってタマちゃんやゼリちゃんにセッションしてしまいそうな勢いだった。陽子さんもセッションを受け、みなでお茶しながら和み、幸せな午後を過ごす。なんか大内さんの持っている空気の感じが私が子供の頃の空気に似ているので、世代だなあと思う。あの時代を体験している、今50から55くらいの人たちといると、ほっとする。
癒しとは、新しい自分になることではない。自分の中にいるほんとうの自分にぐっと近づくことで、それは瞑想にも通じるものだと思う。
夜は実家の忘年会&姉のお誕生会。
いつもの上野ひょうたんにて、懐かしい前田くんにも会え、久しぶりに原さんの笑顔も見て、よかったなあと思う。石原さまや渡辺くんも少し痩せて元気そうだ。チビはりょうこちゃんとDSで対戦して喜んでいた。両親は遠くにいてあいさつもできなかったが、とにかく生きてなんとか座っていた。セリちゃんはしっかりとママになっているし、みんな無事に年越しができてよかったものだ。
2008.12.27

いっちゃんと森田さんに幸せに見送られ、レーネンさんとゆりちゃんとお茶をしにいく。いっぱい仕事をしてへとへとなはずのレーネンさん、なぜかさっと回復していてすっかり元気な様子だった。この人に会っていると、サイキックであることとモンゴルのルーツがあることの強烈さが、彼を生きにくくさせてきたのだなあとしみじみ思う。あまりにもつらいことがたくさんあった彼の人生、だからこそ彼は心底優しい。そして爆発的にダイナミックだ。
ゆりちゃんといると、すんなり甘えている自分を感じる。それは彼女が真に偉大だからだろう。ゆりちゃんのセッションを受けたり、教えを聞いたりしていて、どちらもすばらしかったので、ほんとうはものすごく尊敬していてそういう態度をとることもできるけれど、ともだちっぽくいるほうが幸せだとふたりは決めた、そういう感じがする。それはゲリーも同じだし、えりちゃんもそうだ。
夜はちほちゃんを囲む会。HALE海ズ。行ってみたいと思っていたし、予約も困難なのをじゅんちゃんががんばってとってくれた。ハワイのことをしみじみと語り合おうと思っていたら、後ろの席の人が怒鳴り合うくらいの大声で話しているので、じゅんちゃんの声がぜ〜んぜん聞こえなかった。ごはんはかなりおいしかったし、調理もしゃきっとしていて接客もまじめだが、混んでいる店特有のかたくるしさは否めず。もっと空いてきたらすごくいいお店になるだろうと思った。コースにデザートとコーヒーがついていないのはいかんだろう。ちほちゃんといっしょに来たたかちゃんがすんごくかわいかったのでチビがむちゃくちゃになって、ほんとうに冷や汗が出た。ちほちゃんのパンチのきいた裏話をいっぱい聞いて、満足して帰宅したが、チビはおねえさんたちに会った興奮で全然寝なくて、朝まで起きているんじゃ?と思うほどだった。
「大人になったら、ほんとうに朝まで起きていていいの?そんなすてきなことってあるんだ!」とか言っていた。いいから寝なさいって。
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